ご挨拶

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 消化器内科は高知医科大学の創立に伴い伊藤憲一教授の下に第一内科として創設されました。 私は昭和56年に入局させていただき、伊藤憲一教授、山本泰猛教授、大西三朗教授の下で臨床・教育・研究に携わり、このたび当科の4代目の教授にご推挙いただきました。

 腹部超音波検査、CT、MRI、PET-CT、腹部血管造影検査などが次々に改良・開発され、消化管内視鏡の改良により内視鏡手術や小腸内視鏡検査も可能となるなど、消化器疾患の診断・治療領域での技術革新はめざましいものがあります。 進取の気風を重んじる当教室では優れた臨床医の育成と地域医療への貢献、先端的医療の確立やそれを支える基礎研究の推進を旗印に、設立から四半世紀の間に130名を超える先生方を迎え、開かれた医局運営を通じて高知県の消化器疾患診療における質の向上に努めて参りました。 私はその伝統を受け継ぎ、同門の先生方と連携しながら、高知大学の内科学教室としての社会的役割を果たし、その存在意義を社会に示したいと考えています。

 内科学は消化器、循環器をはじめとして少なくとも8つの大きな分野からなっています。 このため、すべての内科領域をカバーできる数の内科医が各医療圏に常駐することが望ましいと考えられます。 しかし、人口数万人の市町村が多数を占める高知県では、地域医療が数名の内科医によって支えられていることも稀ではありません。 このため地域医療の充実を図るためには、複数の内科学分野の診療が可能な内科医の養成が重要です。 そこで、当科に入局した先生方には、2010年の初期研修制度の改正に合わせた2年間の初期研修プラス半年間のアドバンスト研修により、消化器疾患の診療に欠かせない腹部超音波検査や内視鏡検査の修得はもちろんのこと、一次救急への対応を可能とする研修を受けていただきたいと思っています。 また、専門医の指導の下に胸部レントゲン写真の読影やメタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病の研修も受けて頂き、複数の内科領域の診療・専門医資格取得が可能となるようにサポート致します。 高齢化時代の今、地域の方々は複数の病気をお持ちです。 なかでも癌には男性の半数、女性の1/3が罹患致します。 生活習慣病を治療しながら、確実に早期癌を見つける。 そのような診療に最も適切な臨床科たらんと念じております。

 地域の方々のニーズは多彩です。 新たな課題に遭遇した時、その出会いを課題として認識し、解決することが医療には求められます。 その時のためのトレーニングとして症例報告に加えて、臨床的課題の解決を目指した臨床的・基礎的研究を奨励致します。 学位の取得に留まらず、これらの研究経験は臨床医としてさらに大きく飛躍するためのバネと考えています。 確かに、外国留学をしなくても優れた研究は可能です。

 しかし、自身の経験に照らしても、留学経験は医師の社会人としての見識を高め、人間的な成長を促す一つの機会となり得ると信じております。 若い先生方が海外に留学なさるように大いに支援させていただきたいと思っております。

高知大学医学部消化器内科学講座 教授 西原 利治